文法がわかれば英語はわかる!

  • 2008/03/29(土) 17:26:44

田中茂範(2008)を読む。  ☆☆☆

本書は,認知言語学の視点を取り入れることで,英文法の何故に答えようとする学習英文法書です。

NHKテレビのテキストを1冊にまとめ,約300ページ近い内容となっています。
構成は大きく,動詞チャンク/名詞チャンク/副詞チャンク/チャンキングの4部構成となっています。

正直,ネイティブスピーカーシリーズを始めとして,
この手の本は似たりよったりなので,かなり満腹状態です。
本書の内容も,同著の『チャンク英文法』と重なる部分が多かったように思います。
また例文は本文と別にするなど,読者に親切な構成にしてほしかったです。

とはいえ,これまでの総集編的な内容となっているので,一読する価値はあるように思います。

文法がわかれば英語はわかる! (語学シリーズ NHK新感覚・わかる使える英文法)

オックスフォード実例現代英語用法辞典(PEU)

  • 2008/03/13(木) 23:42:30

マイケル・スワン,吉田正治訳(2000)を再読。 ☆☆☆☆

2007年に第3版が出たみたいですが,とりあえず第2版を読み直しました。
本書は,文法書というよりは,語法書になりますが,
似た意味の単語の違いなどを調べるときにはうってつけだと思います。

ただ索引が多少使いづらく,重なる記述が多いのが難といえば難です。
とはいえ,発音や綴り,新聞英語などバラエティーに富んだ内容を含んでいるので,
教材研究用に手元に置いておきたい1冊です。

オックスフォード実例現代英語用法辞典

教師のためのロイヤル英文法

  • 2008/03/05(水) 16:39:45

綿貫陽,淀縄光洋,マーク・ピーターセン(1994)を読む。 ☆☆☆

本書は,高校における英文法の指導書として出版されたものです。

他の英文法書が学習者用であったり,あるいは専門的な事柄を調べたりするのものであるのに対し,
本書は教師が高校生に教えるべき英文法のポイントを教師用にまとめているという点において,
非常にユニークなものだと言えます。

また様々な英文法の専門書を引用してまとめてあるため,2次資料として便利です。

一方で,高校生に教える上で必要かなぁということについても<語法ノート>などでは
議論されており,もちろん教師にとっては必要な内容だとは思いますが,
本書の本来の趣旨から言えば,ポイントだけをまとめた構成の方が個人的には良かったなぁと思います。

教師のためのロイヤル英文法

ライティングのための英文法

  • 2008/03/02(日) 01:39:15

萩野俊哉(1998)を読む。 ☆☆☆

本書は,生徒がよくつまづく文法項目を取り上げ,
なぜつまづくのか,どう手直せばよいのか,について解説したものです。

著者が高校教師であり,現場で教えているだけあって,
生徒がつまづきやすいポイントを知るためには,もってこいの本だと思います。

一方で,もう一歩進んで,生徒/学習者が読んで理解できるような構成にしてあれば,
もっと役に立つのではないかとも思います。
どういう間違いをしやすいのか,について自学できる方が学習効率が上がると思われるからです。

また「ライティングのための」というタイトルは,内容を読む限り,ミスリーディングのような気がします。

英文法解説 改訂三版

  • 2008/02/29(金) 20:22:32

江川泰一郎(1991)を再読。 ☆☆☆☆☆

本書は,著者によれば,
「英文法の参考書であると共に,英文解釈・英作文・英文法を三位一体とした総合的参考書」
を基本的性格としています。

「解説」などの記述が分かりやすいのはもちろんのこと,例文や練習問題の内容も読んでいて楽しいです。
特に例文に困ったとき,本書が手元にあると心強いでしょう。

高校生が本書を読んで勉強していると思うと,
なんというか,自分が情けなくなりますが,ここをスタートとし,精進しようと思います。

英文法解説

英文法がわからない!?

  • 2008/02/29(金) 19:55:45

中川信雄(1996)を読む。 ☆☆☆☆

本書は「理解したことは忘れない」を趣旨に,英文法200の「なぜ」に積極的に答えたものです。
著者は高校教師であり,
本書は生徒からの普段の質問に答えるために作成したプリント集をまとめたものとなっています。

私自身,内容について勉強になるところもありました。
また実際に頭の中では分かっていても,
こういう風に説明すると生徒は分かりやすいのかなぁという視点でも読ませていただきました。

高校の現場で,生徒からの質問に困ったときなどに,すぐに参照できるという点で,手元にあると便利です。
あるいは生徒に持たせて,自学用として扱うのもよいかもしれません。

私自身,本書のような内容の「質問箱」を作っていくことを目指していきたいです・・・

英文法がわからない!?―参考書にのっていない、でも知りたい200の疑問

続 日本人の英語

  • 2008/01/07(月) 23:48:51

マーク・ピーターセン(1990)を読む。 ☆☆☆

本書は,下の続編です。
前著がライティングに注目したのに対し,本書はリーディングをするときの英語に注目したものです。

内容は重なる部分もありますが,
本書で面白いのは,翻訳の問題です。
具体的な例文を交えながら,日英言語のニュアンスの違いについて,著者は俵万智を引用して説明します。
「韻文,ことに五・七・五・七・七の定型を持つ短歌を,英語に訳すなどということが,果たして可能なんだろうか。
・・・心の揺れから生まれる言葉。その言葉がリズムに乗る。そのとき初めて,歌が生まれる。
言葉とリズムを別のものに置きかえて,心の揺れが伝わるものだろうか」 (p133)

「心の揺れ」という表現は適切だなぁ。

俳句の良さもやはり日本語特有のものなのかしら。

続・日本人の英語 (岩波新書)

日本人の英語

  • 2008/01/07(月) 23:47:28

マーク・ピーターセン(1988)を読む。 ☆☆☆

本書は,日本人が使用する英語の問題点について,英語本来の発想をもとに解明していこうというもの。
冠詞や単複,前置詞,時制,関係詞,態,接続詞が主な言語項目です。

20年前のベストセラー本ということで,多少内容は古いですが,
いざ英語を書けと言われると,本書の日本人の英語のような問題が出てくるような気がします。
負の転移をどう超えていくか。
ここにはやはり1対1の訳ではなく言語感覚が関係しているのかもしれません。

日本人の英語 (岩波新書)

「英文法」を疑う

  • 2008/01/07(月) 19:12:32

松井力也(1999)を読む。 ☆☆☆

著者は,高校の英語教師です。
大西氏や田中氏のように,「イメージ・感覚」で英語を捉えるというもの。
内容は,名詞・代名詞(2章),動詞(3章),前置詞・接続詞(4章)となっています。
本書はなかでも,英語の分かち書きや人称詞などを日本語との対比で説明されているところが面白いです。

また何故,訳ではなく感覚で英語を捉える必要があるのかという点において,
著者は言語が切り取る日本語と英語の世界観の違いについて説明をします。
日本語と英語は,決して1対1の関係にあるものではなく,
言語を学ぶというのは新しい世界観を学ぶということと同義だという考え方が
分かりやすいレベルで書かれています。

「英文法」を疑う―ゼロから考える単語のしくみ

英文法をこわす

  • 2007/12/29(土) 04:03:33

大西泰斗(2003)を読む。  ☆☆☆

下の本と同様に,後輩に借りて読みました。
ネタは,著者のネイティブシリーズとあまり変わりません。

イメージ・感覚で英文法を捉えようという内容です。
こうした認知意味論的な試みは,形式発想ではなく,概念発想という点で興味深いです。

導入レベルでは良いのですが,最終的に練習や活動へとつなげていくときのアイディアが欲しいなぁと
本書の範囲外ですが,無理言ってみました。


英文法をこわす―感覚による再構築 (NHKブックス)

<英文法>を考える

  • 2007/12/29(土) 03:53:13

池上嘉彦(1991)を読む。 ☆☆☆

下に紹介した同著者の『英語の感覚・日本語の感覚』とネタはほぼ同じです。
新しいという点で,下の本の方がお勧めかな。

サブタイトルが「<文法>と<コミュニケーション>の間」となっているのですが,
その間を考えるヒントらしきものが提案されている感じはしました。
1文だけを見て,その文の正しい・誤りを見るということではなく,
その判断には,常にコンテクストが関わっているということ。
その描かれていないコンテクストを考えようね,ということだと思います。
また教師であれば,そのコンテクストを提示することを大切にしようね,ということだと思います。

今更ながら,最近もやもやと考えていたものが少しすっきりしてきたような気がしました。

英文法日本人が繰り返す200の間違い

  • 2007/12/27(木) 22:33:55

清水健二(2000)を読む。 ☆☆☆☆

本書はタイトル通り,
日本人学習者が勘違いしている英文法について,50項目(200の例文)に分けて,解説します。
いやはや勉強になりましたー,って言ってるようではダメなんだろうけども,かなり勉強になりました。

特に「学習参考書のウソ」で,
・The problem was too difficult for him to solve it.は正しいとか
・仮定法も時制の一致を受けることがあるとか
などは自分の不勉強を思い知らされました。
また教師として,これらを生徒に教えるとなったら,どう教えたらいいんだろうって悩みは尽きませんが。

本書は,権威のある文法書(CGEL/PEU/PEGなど)を基にまとめてあるので,信用性は高いと思います。
ただ本文中に引用先が書いてあると,2次情報としてももっと便利が良かったなぁと少々不満が残ります。

英文法 日本人が繰り返す200の間違い

とことんマスター! 英文法

  • 2007/12/21(金) 05:11:34

石井隆之・宮野智靖(2005)を再読。 ☆☆☆

『ガッテン!英文法』の上級編です。
微妙な英文法の違いやこんな表現も言えたのかと思うのもあり,なかなか手強かったです。
特に冠詞や数える/数えない名詞といったところの説明が分かりやすくて勉強になります。

ただ初級・中級編と違い,本書は説明の量が多く,
一言でストンと腑に落ちるような説明にはなっていないところが残念でした。
また,品詞や文法などの項目別に分類されていると良かったのですが,
行き当たりばったりという感じは否めません。

とことんマスター!英文法―目からウロコの超簡単レクチャー100 (目からウロコの超簡単レクチャー100)

ますますナットク! 英文法

  • 2007/12/20(木) 23:55:39

森川美貴子(2004)を再読。 ☆☆☆

『なるほどガッテン! 英文法』の中級編です。
上の初級編の方が面白かったですが,本書も負けず劣らず分かり易さを重視しています。
ただ内容は,英文法よりも語法の項目の方が多いように思います。
語法は何度読んでも身につかんなぁ。
ああそうだったなぁって確認してはいちいち凹むんだよなぁ。

ますますナットク!英文法―目からウロコの超簡単レクチャー100 (目からウロコの超簡単レクチャー100)

なるほどガッテン! 英文法

  • 2007/12/20(木) 16:24:56

中本康夫(2004)を再読。 ☆☆☆

本書は,学習者がよくつまずく語法・文法項目を100個,見開き1ページに1個ずつ説明します。
著者が高校の先生というだけあって,説明が分かり易いです。
用法としては知っていても,いざ説明しろと言われたら,ぐだぐだと説明してしまいそうなだけに,
一言でスパッと言い切ってくれる本書のような説明は,参考になります。
最近大事だなぁと思うのが,説明のためのメタ言語の習得。
日本語との対比も忘れちゃいけないし,言葉1つで分かりやすさって変わるような気がします。

なるほどガッテン!英文法―目からウロコの超簡単レクチャー100 (目からウロコの超簡単レクチャー100)

前置詞がわかれば英語がわかる

  • 2007/12/18(火) 05:55:46

刀祢雅彦(2005)を読む。 ☆☆☆☆

お勧めです。
前置詞のコアの概念やメタファを,文型の中で捉えていきます。
腑に落ちるとはこのことをいうのだろう,たぶん。
なんというか,自分自身の勉強になりました。
1つ不満を挙げると,体系的にまとめてもらえるとよかったなぁと。
あと,人間優先?場所優先?のところの説明がよく分からなかったです。
もう1度読み返す必要がありますな。

前置詞がわかれば英語がわかる

日本人に共通する英語のミス151

  • 2007/12/17(月) 01:41:58

ジェイムズ・ウェブ(2006)を読む。 ☆☆☆

本書は,日本人が間違いやすい英語を品詞ごとに集めただけという極めて単純な内容です。
けれども,日本語の負の転移を見事に捉えていて,確かに間違いやすいなぁというものばかり。
英作文などで言えるかどうか迷ったときに,手元にあると助かるかもしれません。
またそれぞれの章ごとに,Exerciseもついているので,授業で使っても面白いと思います。
1つ不満を言うと,何故言えないのかまで突っ込んで書いてあると良かったなぁと。

日本人に共通する英語のミス151

二文対比の英文法 スキル90

  • 2007/12/17(月) 01:27:32

平井正朗(2005)を再読。 ☆☆

本書は,比べた方が分かりやすいだろうと思われる二文を並べて文法説明します。
個人的には,文法用語や記号や矢印などが多くて読みづらかったです。
また確かに対比させた方が分かりやすいだろうなぁというのもありますが,
わざわざ対比させるほどの意義を見出せない例文も見受けられました。
著者は,学校の英語教師なのですが,英語のアンテナが広いなぁという印象を受けました。

特進レベル 二文対比の英文法スキル90

ネイティブスピーカーの前置詞

  • 2007/12/16(日) 01:55:05

大西泰斗,ポール・マクベイ(1996)を読む。 ☆☆

『ハートで感じる英文法』で紹介されている前置詞をもう少し細かく見ていった感じです。
個人的には,上の本で事足りるように思います。
というのも,前置詞のコアをイメージで捉えるところまでは理解できるのですが,
派生的な意味まで無理やり解釈を広げて説明されるとストンと頭に落ちてこないところが出てきます。
まぁ,この辺りのさじ加減が難しいのかもしれませんが・・・

ネイティブスピーカーの前置詞―ネイティブスピーカーの英文法〈2〉

絵で英文法

  • 2007/12/13(木) 15:52:43

松永・河原(2003)を再読。 ☆☆☆

本書は,コア理論をもとに,絵で英文法を説明しようというものです。
絵が可愛いです。
ただ意外と細かい説明が多いのが難ですね。

前置詞の絵は,見事!
なんでもそうだけど,見開き1p程度でぱっと理解できるというのは大事だと思います。
ハンドアウトを作るときも,1p以内に収めることを目指したいです。

絵で英文法

ハートで感じる英文法

  • 2007/12/13(木) 04:23:23

大西泰斗,ポール・マクベイ(2006)を再読。 ☆☆☆

まぁまぁという感じです。
対象となる文法事項は,前置詞・冠詞・that・現在完了・〜ing・未来時制・助動詞・仮定法などです。
下の本と重なるものもありますが,that・〜ing・仮定法などの説明は比較的分かりやすかったです。
ただ,現在完了や助動詞など,これまでコアで説明されていたものを
イメージ(絵)を使って説明するのは,かなり無理があるように思います。
この辺りも取捨選択が必要ということかもしれません。

ハートで感じる英文法―NHK3か月トピック英会話 (語学シリーズ)

ネイティブスピーカーの英文法

  • 2007/12/13(木) 04:15:52

大西泰斗,ポール・マクベイ(1995)を再読。 ☆☆☆☆

面白いです。
本書は,英文法のコアについて,分かりやすい例文を示しながら紹介します。
対象となる文法事項は,冠詞・可算/不可算名詞・否定・受動態・未来・仮定法・進行形・完了形などです。
説明が分かりやすいのはもちろん,使っている例文がそれを十分に助けているのだと思います。
例文って大切だなぁと実感。
ただ,なかには悪趣味な例文もあるので,その辺りは取捨選択する必要があります。
また絵もかなり不気味です。
それぞれの章の最後にあるExerciseは,結構使いやすいのではないかと思います。

一部批判もあるみたいですが,コアとその周辺の使い分けをすることが肝心なのだと思います。

ネイティブスピーカーの英文法―英語の感覚が身につく

英文法の疑問

  • 2007/12/11(火) 02:58:05

大津由紀雄(2004)を再読。 ☆☆☆

たしか教育実習中に読んだ本だったと思います。
知っている内容ばかりでしたが,それでも説明の仕方が上手いなぁと。
ことばって,文法って面白いよっていう内容です。
特長としては,文法のなぜに答えようとする,日英の比較で理解する,コアを理解する,などが挙げられます。
カメラを使った時制の説明は,必ずしも正確かつ分かりやすいとは思いませんでした。
個人的には,「あけましておめでとう」をどう言うかをネイティブに実験した結果が面白かったです。

英文法の疑問―恥ずかしくてずっと聞けなかったこと (生活人新書)

ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本

  • 2007/12/11(火) 02:48:29

向山淳子・向山貴彦(2001)を再読。 ☆☆

正直,分かりやすいのか分かりにくいのかよく分かりません。
文法用語を使わっていないという新たな試みをしている点は,評価できると思います。
A→B
A=B
A→B=B'
など記号化したり,絵を用いたりなどしていることが本書の特徴だと思います。
ただその割に,文章の説明が多いのが内容を分かりにくくしているようにも思います。
ところで,なんでbig fat catだったんでしょう。

ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本

総合英語 Forest 5th edition

  • 2007/12/10(月) 02:22:17

石黒(監)(2006)を読む。 ☆☆☆

文法書のベストセラー本というのも,うなずけます。
暗記ではなく,英文法のなぜを理解することを目指しているとのこと。
実際,文法のコアから,枝葉的な知識へという説明の流れが分かりやすく,またイラストもそれを助けています。
ただ個人的には,もっと上手に説明できないだろうかと思う文法項目も所々ありました。
デュアルスコープと比較しても,コアやイメージを大切にしているように思います。特に前置詞の章。

ただそうはいっても,そこまで大きく違うなぁと思ったわけではなく,
本書でされなかったものについてデュアルの方で説明されていたりするのもありました。

なので,両方を読み比べして補完的に捉えるのが良いでしょう。

総合英語Forest

デュアルスコープ 総合英語 

  • 2007/12/10(月) 02:15:43

小寺(監)(2001)を再読。 ☆☆☆

2006年にまた改訂されたみたいですが,本書は,その1つ前となる第二版となります。
内容もよく整理されており,学習者が間違いやすいところを
<着眼点!>として丁寧に解説してくれているところが一番のお勧めポイント。
学習文法書の割には,結構細かい説明もあるので,俺自身勉強になりました。

俺が高校生のときに持っていた文法書よりは,はるかに良いですねぇ。