Never Let Me Go
- 2007/02/18(日) 18:52:26
Kazuo IshiguroのNever Let Me Goを読了。
Graded Readersを除けば,
英語の本を読み切ったのは,今回が初めてかもしれません。
Harry Potterですら,挫折してしまったクチなので・・・
つまり,俺でも読みきれるほど,易しい英語で書かれています。
1章が10ページ前後で構成されていたため,
1日1章のペースで読み進めていきました。
読了後の率直な感想としては,
他のレビューにも見られるように,
物語の中に何時までも浸っていたくなるような不思議な感覚でした。
読み終わるのが勿体無いような,そんな作品です。
1日10ページのスローペースで読み進めたのも,
本当は急いで読み終わりたくなかったからかもしれません。
物語は,
主人公の語りによって,文字通り,紡がれていきます。
その語りが最後までぶれないで創り出す世界観は,圧倒的です。
Kazuo Ishiguroが得意とする「回想」を用いて描く世界は,どう言えばよいのでしょう。
緻密で,それでいて淡々としており,そして美しくはかない,
そんな感じです。
本作品のテーマもさることながら,
語り口の上手さこそが,Kazuo Ishiguro作品の大きな魅力なんじゃないかと思います。
主人公の「記憶」を頼りに,物語が描かれることから,
その語りは確か,濱口先生の授業で扱った「信頼できない語り手」
というやつにあたるのではないかと思います。
漫画でいうと,「Monster」や「20世紀少年」に見られる技法だと思います,たぶん。
ただ,本作品は,主人公の性格もあってか,丁寧に記憶が紡がれるので,
その語りを疑うことは一度もありませんでした。
いやはや,圧倒され続けました。
喪失感。はかなさ。
そういう思いを,本作品から確かに感じたように思います。
これから読まれる方へ。
物語のテーマについては,
予備知識を入れないで,読まれることをお勧めします。
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追記(2/19):
回想シーンの心情描写に,
「助動詞 + have + pp」や「仮定法過去完了」が多く使われていた気がします。
大学院に進学していなかったら,たぶん気付かなかった視点だと思いました。
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