みすずの学校と心の教育
- 2007/08/13(月) 11:36:19
山口県長門市教育委員会(2002)を読む。
長門市の小中学校で行われている,みすずの詩を生かした授業実践の紹介。
様々な学校の紹介があるため,系統的に整理されているわけではないが,
特に小学校の授業アイディア集としてヒントになるでしょう。
私としては,みすずの詩と英訳詩の比較といった実践があっても面白いと思う。
最終的に,1つ1つの言葉に拘らせる詩を作らせることで,きっと教師の予想を超えるものが出てくるに違いない。
学ぶ意欲の心理学
- 2007/08/13(月) 01:33:09
市川伸一(2001)を再読。
本書は,動機づけの入門書として格好である。
まず前半で,動機づけとは何か,動機づけ心理学の変遷,最新の動機づけ理論が口語体で易しく説明される。
親和動機,ホーソン効果,達成動機,階層性理論,外発的動機づけ,内発的動機づけ,
アンダーマイニング効果,学習性無力感,スモールステップ,市川氏の二要因モデル(p.48)などである。
後半部分は,和田秀樹氏と苅谷剛彦氏との対談が載せられている。
和田秀樹氏との対談は,外発動機づけをもっと有効に利用しようという
ことで議論が行われるが,対談自体はそれ程面白みがないように思う。
最終章では,動機づけを高めるために具体的にどうすればいいかの提案がある。
個人的に興味深かったのは,やはり前半の動機づけ心理学の変遷である。
動機づけの学問がどのように発達していったのか,実生活との関わりの中で述べられるのが非常に面白い。
また研究結果として,外発から内発へ移行する際の条件に,関係性が働く,という指摘は興味深かった。
心理学はややもすれば教育実践から目の敵にされるが,
私自身は応用できる部分も多いと思うし,逆に知らないと損だと思う。
最近では,自己選択による自己決定という教育実践が例えば行われているが,
それもやはり元を辿れば心理学に行き着く。
学問的な裏づけがあるというのは,心強いことである。
○っちもバカに出来んよ。
![]() |
裁判員制度
- 2007/08/13(月) 00:47:59
丸田隆(2004)を読む。
本書は,2009年から始まるとされる裁判員制度について説明しています。
第1章では,裁判員制度のシミュレーションを行っており,どのように
裁判が進むかを日記風に書いてあるため,裁判の流れがよく掴めます。
また,アメリカの陪審制度やフランス・ドイツの参審制度についても
整理されているので,他国との比較も容易です。
それから,どのようにして日本版裁判員制度が成立するに至ったかについての詳細な説明も行われます。
著者は,アメリカの陪審制度を日本でも取り入れるべきであると主張するが,
日本の裁判員制度のどこがダメだと思うのかをもう少し明確に述べて欲しかったと思います。
私自身は,裁判員制度の導入については楽しみです。
国民が裁判に参加するとなれば,その関心は高まっていくだろうし,
何より短期集中で裁判が行われることで,これまでの裁判の長期化が改善されることが期待されるからです。
もちろん,導入後に裁判員制度の問題点が表われ,
陪審制度へ移行する必要があるというのならば,それはそれでよいと思います。
今,大切なのは,裁判に国民が関与できるシステムが出来るということで,議論が活発になっていくことでしょう。
本書を読んで驚いたのは,これまでの裁判では有罪判決が99.9%であるということ。
数字をそのまま鵜呑みにするわけではありませんが,
無罪になることがこれだけ少ないとは知りませんでした。
一生の内,裁判員に選ばれる確率は67人に1人といいます。
宝くじ以上の確率で当たることは間違いありません。
選ばれたときにきちんとシステムを理解し,判断を行えるか,
学校教育で模擬裁判を行うなどしていく必要があるのかもしれません。
![]() |
年金問題の正しい考え方
- 2007/08/11(土) 18:27:51
盛山和夫(2007)を読む。
本書は,年金加入は損か得か,世代間格差,未納問題,基礎年金
の消費税化,そして年金の一元化などについて議論している。
本書の大半は,数字をもとに議論していたため,
信頼性という点では高いように思われたが,その分,理解が進まなかった。
また著者は「年金は加入しないと損である」と主張するのだが,
その根拠が今ひとつ伝わってこない,というか,初めから結論ありき,のようにも思われた。
それこそ年金制度自体が潰れないという保障がないのだから。
とはいえ,年金加入は国民の義務であり,これからの日本社会を議論していく上で,注目度No1である。
そう意味において,本書は,年金に関する基本的な知識を得るために,読んでおいて損はない。
私見になるが,年金というのは,長期にわたる保険なので,全員強制というのはおかしいのではないかと思う。
保険というのは,本来,掛けたい人が掛けるもののはず。
こういった「福祉」問題は,学校教育で取り上げて,生徒間で議論させても面白いと思うのだが・・・。
![]() |
沈黙の春
- 2007/08/09(木) 23:21:28
白夜行
- 2007/08/01(水) 23:57:42
東野圭吾(2002)を読む。
850ページ程の超長編です。
クライマックスの頃には,もう朝を迎えていました。
東野圭吾ならではの,ミステリー小説。
視点がコロコロ変わっていくのが痛快でした。
さすがに読ませるのが上手いなと思います。
細かい描写や複線の描き方も見事といえば見事なのですが,
論理的におかしい部分も少しありました。
また最後は少し引き伸ばしすぎかなと。
まぁ,でも全体としては楽しめたのでよしとしましょう。
ドラマ化もされたけど,そっちの方はどうなんでしょう?
![]() |
- 小説
- | trackback(0)
- | comment(0)
ひかりのあめふるしま 屋久島
- 2007/08/01(水) 23:38:36
田口ランディ(2001)を再読。
3年前,この本を読んで,屋久島一人旅の敢行を決意しました。
あの旅は出足から躓いたので,今でもよく覚えています。
まさかTVでサッカーを観ていて,電車に乗り遅れるとは・・・
田口ランディの文体は,すらすら読めるので好きです。
彼女の感性についても共感することが多いし。
ただ,田口ランディ好きが周りに誰もいないのが寂しいところ。
本書は,彼女の人生観を変えた屋久島の旅行記です。
最も共感するのは,水が美味しいという部分。
山の中を流れる川の水をごくっと飲んだときの感動は,今でも忘れられません。
まさか水が甘いなんて。
手で掬って飲むのではなく,ましてやペットボトルに入れて飲むのでもない。
川に直接口をつけて頂く。
最高です。
![]() |
- 小説
- | trackback(0)
- | comment(0)






