これから論文を書く若者のために

  • 2007/10/31(水) 00:05:50

酒井聡樹(2006)を再読。 ☆☆☆☆

本書は,論文書き・論文投稿のための手助け本です。
特に,各章で「何を書くべきか」を具体例を挙げながら説明します。
著者は,大のサッカー好き,しかもベガルタ仙台好きなので,具体例がかなりマニアックです。
私自身は「考察」の書き方が非常に参考になりました。
また論文投稿の流れやレフリーコメントへの対応の仕方などについての情報も有益です。

本書は,論文という堅いお話を冗談っぽく説明してくれるところが良いです。
以下,謝辞の説明より引用(p162)。

精神的・生活的な支え(研究室の同僚・恋人・友人・家族・犬・猫などによる精神的励ましなど)
に対する謝辞は加えないのが普通である。これらの人に対しては,個人的にお礼を述べるようにしよう。
犬・猫は,なでてあげたり,おやつをあげたりしよう。


これから論文を書く若者のために 大改訂増補版

初めての心理学英語論文

  • 2007/10/31(水) 00:04:00

D・シュワーブ,B・シュワーブ,高橋雅治(1998)を再読。 ☆☆☆

本書は,今まさに論文を書いたり,投稿したりしようとしている人に有意義な情報が書かれています。

まず最初に,何度も書き直しをすることの重要性を主張します。
どんな偉い人でも他人にコメントをもらって書き直しをしているのです,
というのだから,論文を書くのって本当に大変だなぁと思います。
今,私も論文執筆中なので身にしみて思います。

本書の特徴としては,要約(Abstract)の書き方が詳細であること,
また論文書きで気をつけるべきこととして,APAマニュアルの要点
をつまみ出して説明していることなどが挙げられます。

ネイティブチェックは大事だよなぁ。。

脳のメモ帳 ワーキングメモリ

  • 2007/10/30(火) 23:41:28

苧阪満里子(2002)を再読。 ☆☆☆☆

面白いです。
ワーキングメモリの入門書として,最適でしょう。

本書は,前半部分において,Baddeleyのモデルについて説明し,
半ばでは,リーディングスパンをメインにワーキングメモリ容量と言語理解との関連を示し,
後半部分において,ワーキングメモリの脳研究を紹介します。
メインは,著者自身が研究しているリーディングスパンと言語理解との関連です。

私のシャドーイングの研究でも随分お世話になりました。
今回は,再読ということもあって,脳の研究を興味深く読みました。
思っていたより,色んなことが分かっているんだなぁと。


ワーキングメモリ―脳のメモ帳

Outlet

  • 2007/10/15(月) 17:22:08

Taguchi Randy(2003)を読了。 ☆☆

オリジナルに比べて,英語翻訳はかなり読みづらかったです。
文体というのは,大事ですね。

The future and the past are homologous.
Unless I change now, right now, all I have to look forward to is a future exactly like the past.


恋愛寫眞

  • 2007/10/15(月) 00:03:30

市川拓司(2003)を再読。 ☆☆☆☆

別れはいつだって思いよりも先に来る。
それでもみんな微笑みながら言うの。
さよなら,またいつか会いましょう。
さよなら,またどこかで,って。

表紙にある上の言葉に惹かれて買ったのを覚えています。
あと,ヒロスエにも。

う〜ん,市川拓司の作品は,やっぱせつないです。
ラストの描き方が悲しすぎる。

そういえば,宮崎あおい主演で映画化されましたね。
彼女にぴったりの役だと思うので,どんな映像に仕上がったのか観てみたいですが。

この地球に暮らす私たちは,これから何処へ行こうとしているのかしら?

恋愛写真―もうひとつの物語

池袋ウエストゲートパーク

  • 2007/10/14(日) 23:54:48

石田衣良(2001)を再読。 ☆☆

やはりというか,1回目に読んだときのような面白さや爽快感というものはあまりなく,
だからといって,全くもってつまんないというわけでもない,そんな感じでした。
なんとなく,小中学生の頃に読んだ「ぼくらシリーズ」に似ているような気もしますが。
主人公のマコトがかっこ良すぎ?


池袋ウエストゲートパーク

より良い英語授業を目指して

  • 2007/10/14(日) 23:32:46

斎藤栄二・鈴木寿一(2000)を読む。 ☆☆

なんだかタイトルに惹かれて買ってしまいました。
ハードカバーだからか,2700円+税もします。
中身は,副題にあるように,教師の疑問と悩みにこたえる,
ということで,文法指導や4技能ごとに,Q&A形式で進んでいきます。
また「論文」という形で,現場の先生方の実践や考えを紹介していきます。

著者らの英語教育を変えたいという情熱のようなものは伝わってきたのですが,
本書を読んで,果たして先生方の悩みは解決できるのかなぁと感じました。
個人的には,現場教師と著者らの対話?→「論文」→読後感,
という本書の構成があまり好きになれませんでした。

より良い英語授業を目指して―教師の疑問と悩みにこたえる

がんばろう!イングリッシュ・ティーチャーズ!

  • 2007/10/10(水) 00:03:33

田邉・松畑・服部・坂本・Browne(2007)を読む。 ☆☆☆

タイトルに!が2つもみられるように,英語教師を応援する本です。
小学校から大学までの英語教師及び指導主事の方々が,
これまで独自に行ってきた自主研修の内容・体験談を報告します。

私自身は高校の英語教員を目指していることもあって,
高校の先生方の体験談に共感することが多かったです。
研修とはあまり関係ないかもしれませんが,“The Naked Classroom”
(Kevin Bergman)の語りには,思わずドキッとさせられました。
教師にとって大切なことが書かれてあったように思います。

がんばろう!イングリッシュ・ティーチャーズ!―自主研修ハンドブック

論争・英語が公用語になる日

  • 2007/10/09(火) 23:40:03

中公新書ラクレ編集部+鈴木義里(2002)を再読。 ☆☆

本書は,三部構成で,英語公用語賛成派(第1部),反対派(第2部),さまざまな視点(第3部)となっています。
様々な人が様々なことを別紙で言ったものを本書で紹介しているという感じなので,
整理された1冊の本を読むというよりは,様々な角度から公用語化論争を捉えていくという趣旨のものです。
なので,まとまりが悪いと言えば悪い気もします。

私自身は,英語を日本の戦略として捉えるという話自体,どこか遠い話に感じてしまいます。
眼の前の生徒に対して,英語を好きになってくれたら,少しでも出来るようになってくれたらと思っても,
エリートになって,外国相手に英語を駆使してくれたら,とはなかなか思えません。
けれど,後者の視点も決して無視はできませんが。

論争・英語が公用語になる日 (中公新書ラクレ)

あえて英語公用語論

  • 2007/10/09(火) 23:17:50

船橋洋一(2000)を再読。 ☆☆☆

本書は,英語を教育の問題としてではなく,日本の戦略の問題として
捉える必要があるのではないかとし,日本における英語の第二公用語化を提案します。
また,インターネットの普及により,個人単位で世界に発信することが
可能になったとし,そのために英語を飼うことが重要であると主張します。

本書の内容は,各国の英語事情,イングリッシュ・ディバイド,バイリンガル,
イングリッシュプラス,英語公用語論 戦略+提案と多岐に渡っています。

英語公用語化の是非はともかく,各国の英語政策事情や日本の英語教育を大局的に
捉えることができるという意味で,本書は十分に意義のある中身であると思います。
知らないことも多く,色々と勉強になりました。

あえて英語公用語論 (文春新書)

日本の英語教育

  • 2007/10/09(火) 22:48:04

山田雄一郎(2005)を再読。 ☆☆

本書は,歴史的な視点から,現代の英語教育の流れについて批判を行っています。
特に取り上げられているのは,「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」と小学校英語教育です。

著者は,日本の外国語政策に,先を見通した明確なビジョンがないことに根本的な問題を感じています。

必要なのは,バランスのよい言語観,すなわち,自分と英語との関係を現実的に把握する智慧である。
自分は,いまどこに立っていて,どこに向かおうとしているのか。
英語は,自分の将来に対してどのように位置づけられるのか。(p9)

また著者は,「学ぶ側の責任」を取り上げ,これまで生徒にどんな努力を求めるのか
という視点で英語教育を語ることをしてこなかったのではないかと述べます。
そのくだりで紹介される息子さんの話は,読んでいてにやけてしまいました。。

日本の英語教育 (岩波新書)

エイジ

  • 2007/10/09(火) 00:01:41

重松清(2004)を読む。 ☆☆☆☆

町で起こった通り魔事件の犯人は,同級生だった。
「キレる」とはどういうことなのか。

面白かったです。
主人公の少年の語り口に,かなり共感できました。
と同時に,色々と考えさせられるような内容でもあったような,そうでもないような。
何故か読んでいる内に,光市の事件を思い浮かべていました。

他人の言動というのは,特に犯罪なんかは,正直理解に苦しむこともしばしばありますが,
それでも理解しようとすることを諦めてはいけない,そんな心情を読んでいてもちました。
だからって,理解できるわけでもありませんが。
メディアとか友だちとかの意見と違うし,上手く説明できないんだけど,なんか違うんじゃ?って,
自分の中に基準をもつ,そういうことが描かれていたようにも思いますが,違うかもしれません。

エイジ (新潮文庫)

英語教育はなぜ間違うのか

  • 2007/10/08(月) 23:08:02

山田雄一郎(2005)を再読。 ☆☆☆

本書は,日本の英語教育を根本的に捉え直すことを試み,国際化,バイリンガル,
英語公用語論,小学校英語,JETプログラムについて主に取り上げます。

主な主張は,英語よりも伝えるべき内容を重視し,安易なバイリンガル幻想を抱かない,というもの。

以下,著者に賛成する部分。

義務教育の目的は,社会の求めるものに直接応じることではない。(中略)
義務教育は,学習者が将来必要とするかも知れない諸能力を身に付けるための準備期間である。(p20)

国際理解とは,自分を取り巻く世界をどのように認識するか,
その捉え方,すなわちものの見方のことだと思っている。(pp48-49)

本書は,現在の英語教育を的確に批判しているように思いますが,
じゃあ,どう改善したら良いのか,については提案不足のようでした。
理念は分かるんですが・・・

英語教育はなぜ間違うのか (ちくま新書)

GOTH 夜の章

  • 2007/10/05(金) 23:32:18

乙一(2005)を読む。 ☆

「夏と花火と私の死体」が面白かったので,本作品に手を出してみました。
初めてGOTHの意味について知ったのですが,いやはや俺には理解できない内容です。
短文で書かれており,読み易いのも受けている理由でしょうが,
本作品は内容が気持ち悪く,好きにはなれませんでした。

見開きのカラー写真は,おそらく屋久島だと思われます。
これだけ濃い森と深い苔の緑は間違いありません。

本書は,3つの短編から成っているのですが,最後の「記憶」は途中でネタが読めてしまいました。
というのも,途中でどこかで読んだなぁと気づき,考えてみたところ,漫画化されたものを以前読んでいました。

このGOTHという作品は,全体的にテイストが暗すぎて,読後感が悲惨です。
もっと元気になれる小説がいいですな。

GOTH 夜の章 (角川文庫)

「教えない」英語教育

  • 2007/10/05(金) 22:50:34

市川力(2005)を再読。 ☆☆☆

「英語を子どもに教えるな」の続編といった感じで,本書も同様に,バイリンガル幻想へ警鐘を鳴らし,
外国語教育よりも母語教育の重要性を指摘した上で,「教えない」英語教育を提案します。

「教えない」英語教育とは,手取り足取り教えるのではなく,
試行錯誤を経て気づくという学びの過程を重視し,必要性が
生じたときに英語を習得できる基盤を作ることと言えよう。(p27)

その際に大切なのは,母語や思考力を育てるということ,
また学ぶ必然性を作り出し,子どもに気づきを促すこととしています。

第3章では,「教えない」英語教育の実践例として,小学校での英語授業の実践例を紹介します。
「英語を子どもに教えるな」を読んだ方は,3章を読むだけで十分かもしれません。
わくわく授業で取り上げられた小泉先生の授業紹介も含めて,どれも興味深いものばかりでした。
英語授業が,本来,文法シラバスに縛られるものではなく,教科横断的な特徴をもつ
という主張は,自分の授業を見直す上で,1つポイントになるなぁと思いました。

最終章では,親子で取り組む英語実践を紹介し,対話の仕方や
読み聞かせの大切さについて述べてあり,興味深く読みました。

本書タイトルの「教えない」英語教育というのは,現在小学校で行われているのが
英語活動であることを考えると,少しミスリーディングなものかなぁと思いました。

「教えない」英語教育 (中公新書ラクレ (176))

英語を子どもに教えるな

  • 2007/10/05(金) 00:58:18

市川力(2004)を再読。 ☆☆☆

著者は,1・2章で自身のアメリカで塾を開いた体験から,子どもたちが2つの言語を
同時に習得する際の困難を指摘し,帰国子女幻想やバイリンガル幻想の危うさを述べる。
著者の談によれば,ESL環境下で育った子どもは,十分な環境を親が提供できなければ,
バイリンガルどころか母語すらまともに使いこなせないセミリンガル化する可能性すら大いにあるとする。

4章では,日本の早期英語教育の実態調査を示し,一部行われている
イマージョン教育が全ての人に適した一般的な方法ではないという。

このように,本書は,バイリンガル教育は幻想にすぎないと現在の早期英語教育の流れに警鐘を鳴らし,
英語云々の前に,母語で考え,意見を伝える力をまず優先すべきではないかと主張していく。
最終章では,子どもに英語を学ばせる際の親が留意すべきポイントを10項目にまとめて挙げている。

私は,この著者の主張に賛同するが,一方でいざ自分の子どもに英語を
小さい頃から教えるかと尋ねられたら,教えるだろうなぁとも思う。
ただし,その際に気をつけるべきは,著者が指摘するように,子どもが英語を楽しむ環境作りを
強制することなく行うことと私自身が英語を楽しんでいる姿を示すことでしょう。
特に後者は大事にしたいです。

「英米人以外の人々が英語を話す時に,期待されていることは,
『fluent』に話すことではなくて『informative』な内容を語ってくれるかどうかである」(p108)

子どもの時に英語を学ぶ意味があるとしたら,英語にものおじしない態度,ことばや文化に対する興味,
そして多様な人種・文化を偏見なく受け入れる気持ちを育むことだろう。それ以上のことを期待する必要はない。(p202)


英語を子どもに教えるな (中公新書ラクレ)

学力低下論争

  • 2007/10/03(水) 22:28:46

市川伸一(2002)を再読。 ☆☆☆

本書は,これまで議論されてきた「学力低下」問題についてメタ分析を行った上で,著者自身の見解を述べる。

そもそも「学力」は低下しているのか。
ここでいう「学力」とは,知識か,学習意欲か,考える力か。
「ゆとり教育」は失敗だったのか。

様々な疑問をもつテーマだが,私自身は「学力低下」については否定的である。
何故なら,「学力」がどんな能力を指そうとも,その低下を客観的に示すデータがないからである。
しかしながら,私自身の感覚では,子どもたちの「考える力」は十分ではないとも思っている。
低下云々ではなく,十分ではないという言い方の方が誤解を招かないだろう。
「考える力」が十分ではないというのは,つまりは「書く」という作業を学校教育でしてこなかったことを指す。
私は,卒論や修論を通して,「考える」=「書く」ことだと学んだので,
学校においても「書く」経験をさせることが重要だと考えている。
知識を下地に考える。
そのときに,十分な時間をかけて行っていける制度が「ゆとり」教育だと思っている。
ゆとり教育の失敗はその理念にではなく,具体的な手順を示せなかったことにある。

知識を知恵へ変えていけるような授業づくりを目指したいです。

声高な言説が一様に「国」の危機を問題にし,それ以外の声を発することが
まるではばかられることのように沈黙させられるとき,人はその時代の空気を疑うべきだ。
(p206)


学力低下論争 (ちくま新書)

日本人はなぜ英語ができないか

  • 2007/10/03(水) 21:52:54

鈴木孝夫(1999)を再読。 ☆☆☆

本書は,英語が日本社会の中でどのような位置を占めているかを示し,
日本人がどのような目的で英語を勉強したらよいかについて述べる。
以前に挙げた,著者の本の中でも,より社会的で政治的で教育的に英語を扱っている。

本書は,自己表現を目的とした英語使用を提案し,更には
日本文化を発信するために英語を用いるべきだと主張する。
よって,学校教育における教科書についても,外国文化についての
記事よりも日本の文化を英語で載せることの重要性を主張する。

上記のことを前面に主張したことにより,本書は英語教育にも多大な影響を与えたのではないかと思う。

また目指すべき英語像として,著者は,英米人が話す英語ではなく,
国際補助語としての英語であるべきだという。
この議論は,最近よく耳にするようになったと思うが,「国際補助語としての英語」というのが,
具体的にはどういうものか,という話になると議論がそれ以上進まなくなってしまうのもまた事実だと思う。
ということもあり,国の指針としては,標準的な英語をモデルに掲げているのだろう。

本書は,英語帝国主義にも警鐘を鳴らし,日本人は日本人たる英語を話すべきだとする。
私自身,留学して感じたのが,他国からの留学生は日本人ほど発音の良し悪しを気にしていないということ。
この辺りの議論は,日本がEFL環境下にあることもまた考慮しなければならないでしょうが。

日本人はなぜ英語ができないか (岩波新書)

教養としての言語学

  • 2007/10/02(火) 22:35:58

鈴木孝夫(1996)を再読。 ☆☆

本書は,先に紹介した「ことばと文化」や「日本語と外国語」よりも,
随分,言語学の入門書的な仕上がりになっている。
特に1章では,言語の恣意性の説明が行われる。
とはいえ,単なる記述や説明だけでなく,著者の考えも述べてあるので,
その辺りが本書タイトルにある「教養」として見られる部分であろう。

興味深い話としては,鳥類だけが人間と同様な,後天的な音声学習能力をもつということ。
オウム,恐るべしです。

その後,2章ではあいさつ,3章では指示語,4章では人称,最終章では外来語について語ります。
著者のすごいところは,言語としての単なる記述に終わるのではなく,
なぜ人はそのような言い方をするのか,にまで踏み込んで考察している部分である。
言語学を超えた言語学入門書であると思います。

教養としての言語学 (岩波新書)

日本語と外国語

  • 2007/10/02(火) 17:10:00

鈴木孝夫(1990)を再読。 ☆☆

「ことばと文化」の続編みたいな内容です。

虹は6色?
足は恥部?

言語と文化の関係について,またまた考えさせられます。
本書の後半では,漢字の特徴について述べ,外来語を見直します。

日本語は,音の組み合わせが少ないために,同音異義語が多いし,また漢字が活躍できるということ。
納得です。

日本語と外国語 (岩波新書)

日本語力と英語力

  • 2007/10/01(月) 22:05:59

齋藤孝・斎藤兆史(2004)を再読。 ☆☆

近年のコミュニケーション中心の流れを批判した本。
確かに,著者らが指摘するように,中学校の英語教科書は薄くなり,
明日にでも使える定型表現を載せる傾向にあるように思う。
しかし,だからといって,コミュニケーション中心がダメとか,
文学復興を,というゆり戻しが正解だとも思えない。

本書は,確かに的を得たことも言っているのだが,著者らは,現行の制度において,
コミュニケーションを中心とした,それでいて内容の濃い授業の実践を知っているのだろうか。
もっと現状を踏まえた上での対談になっていれば面白かったのだが・・・

本書で主張する「型」の大切さについては,私自身大切だと感じている。
ただ,音読やシャドーイングは目的ではく,あくまで手段なんだと思いますが。

日本語力と英語力

ことばと文化

  • 2007/10/01(月) 21:40:12

鈴木孝夫(1973)を再読。 ☆☆

高校の国語の問題集で引用されていたのを覚えています。

ことばがものをあらしめる。

本書の基本的な考え方は,上の一文に尽きるでしょう。
古い本ではありますが,私自身,言葉の面白さを知るきっかけとなった本です。
ことばとこころの関係は,複雑なのに面白いです。

本書で,今読んでも面白いなぁと思うのは,6章の「ひとを表すことば」です。
子育て時の夫婦の呼び合い方とか,学生と先生の呼び合い方というのは,
少なくとも日本とアメリカでは,異文化差を感じることができます。

留学したとき,教授の方を名前で呼び捨てにするのは,分かってはいてもやはり違和感がありましたね。


ことばと文化 (岩波新書)